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沖田は時々狂ったように土方を求める時があった。いつもは少し恥らうように行為を受け入れる沖田が。強く土方を抱きしめ抱いてと叫ぶ。少しの間さえもジれったいのか嫌がり絶えず抱いて、と、甲高い声で叫び続けるのだ。そんな沖田を、焦らして焦らして飢えさせるのが。土方は好きだった。 沖田は愛を求めているのだ プライドを捨てて、必死になって そんな沖田を、飢えている沖田を、放置し鑑賞する、自分。我ながら惨いと思う。自分に抱いて貰える事がたった一つ、沖田の感じれる愛情であり生きる糧であると言うのに。自分の身体に抱き付き必死になって擦り寄ってくる沖田を無視し愉しそうに笑う自分を、途轍もなく酷い奴だとは、思う。 けれどどれだけ土方が酷い事をしても、沖田は土方を嫌いはしなかった。だから少し、突き放してしまいたくなるのだ。何処までついてくるのか。何処までついてこられるのか。いや何処までついてこられるのか、なんて、土方には分かっていた。何処までも だ。沖田にとってただ一つ、信じられる者愛しい者愛してくれる者、それが土方だけ、なのだから。けれど狂ってしまいそうになるまで狂ってしまう寸前まで、放って置く。そうした後の沖田は吃驚してしまうほどセクシャルで、扇情的なのだ。 「おねがいでさァ…ひじかたさん…」 細い消え入りそうな懇願。いつも自信に満ちている彼の、弱い姿。それを惜しげもなく自分に曝け出してくれる。眩暈がしそうなほどの優越感。いやな、男だ。自分はとても。いやな 男だ。 「………脱げよ、総悟」 ちっぽけな事で優越感に浸る愚かなそして汚い自分に吐き気がし土方はそれを誤魔化すかのように低く言った。それをまるで天からの声かのように沖田は思った。何の戸惑いもなく服に手をかけると白い肌を露にしていく。 「発情した雌だな…」 全てを脱ぎ去り縋るように自分を見てくる沖田に吐き捨てるように言った。そして少しだけ、傷ついたように眉を寄せる沖田の頬を、思い切り張った。 「ッ…」 パァンッと乾いた音が響き沖田が床に転がる。手を頬にあて起き上がろうとする沖田の上に土方は馬乗りになった。そしてベルトを抜きペニスを取り出すと何の戸惑いもなく沖田の小さな口にソレを入れる。早く挿れて欲しいのだろうか。少しだけ物欲しそうな視線を寄越した後、けれど土方の言う事に従わなければ抱いて貰える事はないと言う事を知っている沖田はソレをペロペロと舐め始めた。 「ン、ん…うェッ…」 暫く舐め続けていた沖田は、けれど嗚咽感に顔を顰めた。寝転がっている為ペニスがより喉の奥の方へと入ってくるのだ。苦しい。けれども土方は知ったことかと言った様子で苦しがる沖田に構わずぐいぐいとペニスを奥へ奥へとやっていった。 「う、うァ、ア、…ッ、…ッ」 堪らなくなって思わず上に乗っかっている土方を強く押す沖田。あ、と呟いてももう遅い。上を見ると不機嫌そうな土方の、顔。沖田は唇を噛んだ。 抵抗は、するな 何度も何度も飽きるほど 言われた言葉だ 例えほんの僅かにでも沖田が土方のする事に抵抗を見せるのは許されなかった 「ペニスは挿れて欲しいけどオフェラはいやですー、ってか?お高いもんだなァ、総悟」 沖田の髪を強く掴みながらハッ、と馬鹿にしたように笑いながら言う土方に堪らなくなり沖田は瞳に溜めていた涙を静かに落とした。痛みに顔を顰めながらけれども甘えるような声で、沖田が言う。 「ひじかた、さん…」 情けないほど声が震えていた。けれども構わず沖田は続けた。 「一回で、良いんでさァ…いっかい、…イれてくれたらあとは何をしても…良いですから…」 無言で自分を見ている土方の視線が痛い。どう思っているのだろう。飽きれているだろうか。けれども引く事はできない。本当にもう我慢できなかった。心が 痛い。膿んでいるかのようにズキズキと痛む。 「どんなに、酷いことしても…いいですから…」 「おねがいしやす…」 一度抱いて貰えたら自分は自我を保てれる。土方に愛されているのだと確認できる。認識 できる。 ――…いつの事だろう 身体の疼きを抑えてくれる者が愛してくれる者なのだと言う事を教えられ鵜呑みにしてしまったのは。なんて、倒錯的な愛。そんな歪んだ愛を沖田に教え込んだのは、土方 だ。勿論沖田はその愛が倒錯的なものだなんて事はこれぽっちも思っていない。純粋な、愛だと。世間一般の有触れた愛だと、思っている。 沖田はそれ以外の愛を 貰ったことがないから 「おねがい…ひじかたさァ、ッ…」 もう一度沖田が懇願しようとしたのと同時に土方は掴んでいた髪をぐい、と引っ張ると沖田を起きさせ膝の上に乗っけた。強く引っ張られた痛みに呻きながらも無視されなかった事に心の奥でホと息を吐く。土方に構って貰えない事が、沖田にとって一番辛かった。 「土方さん、ひじかたさん…っひじかた、…っアッ、」 狂ったように自分の名を繰り返す沖田に土方はチッと舌打ちをすると沖田の腰を掴んだ。そして少し上に上げると自分のペニスの先を沖田のアナルへ充てぐ、と、腰を下に下ろした。 「ふ、ぁアアッ…!!」 土方のペニスが沖田の唾液で濡れてた以外は何の潤いもないソコはカナリの痛みを沖田に齎した。唇を強く噛み締め眉を顰めながら痛みに耐える沖田。土方の首に回されていた細い腕がふるふると震えている。ハァハァと荒い息をしながら痛みに耐える沖田に構わず土方は掴んでいる腰を上下に揺らした。 「ヒッ、アアッぁ、ツっ…ウ、」 引きつった痛みが走り沖田は土方に抱きつく力を強める。精一杯痛みを我慢し土方のしたいようにできるよう身体の力を抜く健気な沖田に土方は鼻で笑いながら言った。 「挿れて欲しかったんだろ…なけよイイ声で」 「……ア、ァアん・・・っ」 普通のセックスで感じられる甘い快感なんて、これっぽっちも感じてなくて嬌声はとても嘘じみたものになってしまった。けれど心はとても満たされていた。ピッタリ自分のナカに土方のモノが入っている。それだけで、沖田は満たされた。先ほどまで堪らないほど自身に纏わりついていた不安が除々に無くなっていくのが分かる。 「はぁっ…は、ァっ…」 眉を顰めながらも可愛らしく擦り寄ってくる沖田を土方は堪らなく愛しく思う。この愛を素直に沖田に伝えられたら良かったのに。数年、後悔してきた事がまた頭を過ぎる。 この不器用で歪んでいてエゴスティックの塊みたいな愛を受け止めてくれた 沖田 いや、受け止めざる負えなかった 沖田 もう何年も前 独りだった彼の孤独を消す者は決して自分で無ければいけなかった訳ではないのに 交えれない二人の 愛 何が正しくて何が幸せなのか計りえないけれど今沖田が幸せを感じているのは、 確かなこと だった END |
| 土方しか見えない 世界 それを愛と呼ぶのか否か 041112 |