くっついてくる理由が寒いからなんてちょっとむかつくなんて思えれるのは考えてみるともう寒くなってから随分と時が経っていて沖田がくっついてくるのに慣れて余裕がでてきてしまったからだろうと土方は思う。きっと沖田が全然くっついてこない夏の頃の自分から見れば今の状態は羨ましくて仕方ないことでむかつくなんて思ってる傲慢な今の自分を殴りたいくらいむかつくんだろうと思うけれど、やっぱりくっつかれてあぁあったけぇ、それだけしか言ってこない沖田にむかつくものはむかつくのだ。

「総悟、離れろってうっとうしい」
「土方さんがあったけぇのが悪ィの」

そう言って腕を絡ませてくる沖田の顔は幸せそうで、可愛いのだけど可愛くてたまらないのだけどほらだって温かさ求めてるだけなら別に自分じゃなくたって誰だって良いんじゃないかって思ってしまうってうっわ俺なに思ってんのえぇ寒い気温より自分の思考が寒いそして痛い強く絡みつかれて悲鳴あげてる自分の腕より俺の頭が痛い土方は頭を抱えた。

「なに、かんがえてんの」
「え」

不意に沖田に言われてとても言えないような恥ずかしいことを思っていた土方は黙る。不審に思ったのか不機嫌そうに沖田が瞳を細めた。

「ほんとうに、鬱陶しいの?」
「え」

けれども次はそう言って細めた瞳を開かせて一瞬上目遣いに土方を見上げてそれからすぐに斜め下に視線を移す沖田に焦る。これは、傷ついた時の仕草だ。えぇえコイツ切り替え早っ!だってさっきまで笑ってえぇえ、焦っている内に腕を離されてしまった。

「俺がくっつくと最近すっげぇ嫌そうな顔してまさァ」
「え」
「さっきから「え」しか言ってねぇですぜアンタ」
「…」

実のところ沖田は、別に寒いからくっついている訳ではなかった。土方が思っているのとは逆で、寒いというのを口実にしてくっついているだけだ。夏はくっつく口実がなくて口実なくしてくっつく事ができなくて、さみしい思いを沖田なりにするけれど冬は違う。沖田は寒さに弱いけれど冬が好きだった。だけどあからさまに嫌そうな顔されれば沖田だって傷つかないわけじゃない。しゅんとする沖田。嫌な空気が2人の間を流れる。

「…」

だけど土方は思いを上手く言葉にできなくて、口篭った。頭をかきながらうなだれる沖田を見下ろす。だけど言葉はでなかったくせにどうしよう、思う前に体が動いていた。

「っ、」

ぐいと乱暴に腕を引き寄せて、手を握る。沖田が驚いてバッと土方の方を見た。そして唇を薄く開いて一瞬呆けた顔をした後、笑う。絡まってきた手の平に汗の感触があったのだ。女くどくのなんて慣れてるくせにこんな事であせる土方が妙におかしかった。

「なさけねぇの」

ぷっと笑ってだけど沖田は手を強くぎゅうと握り返した。


END

だめだ沖田が弱くなる
もっと、こう、飄々としてる沖田がす、き… 

  ふれてとめて 060108