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みんな教科書持ってうつむきながら廊下を歩いている。ひょっこりと教室の窓から顔出しながら沖田はその様子を観察をしていた。今は期末テスト真っ最中であるから当然の光景なのだけれどやだやだ辛気臭ぇ、目的である教科が既に終わった沖田は先日までガリ勉やってた自分を棚にあげて思う。のびのびした気分だった。残りのテスト数日は早く学校が終われて楽だし、目的の教科はカナリの自信がある。笑いながら教室から出てうきうきと廊下歩いていたら呼び止められた。 「沖田クン!ちょっとスゴイよ君」 銀時だった。きた!沖田は思う。何を言うかなんて予測済みだ。 「今回も、100!」 期待通りの言葉に沖田は心の中でにやりと笑う。今回のこのテストで1年の始めから計6回ほどテストをやってきたが沖田は銀時が担当している教科、古典はすべて100点、だったのだ。我ながらすごいと思う。そんなに頭の良い高校じゃないとは言っても中学生の頃お世話になった教師が聞いたらきっとぶったまげるだろう。 「ほんとぉですかィ?」 「ほんとほんと!やァ、すごいねぇ先生ビックリだよ」 「そりゃ、古典気合入れやしたからね」 おかげで他のはからっきし。そう言って沖田は笑う。言う通り古典以外はどの教科も0から数えた方がすぐに数えれる点数ばかりだった。今回も多分そういう事になるだろう。そんなにいくつものことが覚えられるほどよい頭をしていない。それだけど、本当なら古典の「こ」の字さえも覚えるのに一苦労なからっぽと言われている頭をしている沖田が頭ショートしそうなほど古典がんばって勉強をしたのは。 「なんで?なんで古典に力入れたの?」 「そんなん…」 そこで沖田は言葉を切って銀時の瞳をじっと見つめた。意味あり気なその視線に銀時は反射的に身構える。心臓が期待をし始めて無駄に心音を増やしだした。オォーイ待て待てちょっ、ほんと待て、まだ言わないで口開かないで、沖田の唇が開き始めた瞬間まだ心の準備ができない銀時は思う。だけれど沖田は待ってはくれなくて、唇が言葉を紡いだ。 「好きだからに、決まってらァ」 「えっ…」 面白いほどに、動揺してしまった。外面は口が馬鹿っぽく少し開いたことと瞳が見開かれたことしか変化はなかったが内面はそりゃもう大変なほどおかしなことになっていた。どくどくと心臓が破裂しそうなほどのものすごい速さで鼓動を繰り返している。体が静止状態でここまで息苦しくなったのなんて初めてだってゆーかきっと5キロ全速力で走ったってこんなに息切れは起こさない。あぁ今ならあれ、あれの気持ちがわかる昔読んだロミオとジュリエットのロミオの気持ち。彼のジュリエットを思う気持ちを読んで何言ってんだ気持ち悪りィっ!思っていたけれど今なら分かる。まさに今それ、その状態ロミオと同じ状態あぁロミオ、あなたは何故ロミオなのあれこれジュリエット。 銀時はとても焦っていて動揺していてだけど返事は返さないとと思って慎重に何を言おうか言葉を選ぶ。けれどもその間に、また沖田が口を開いた。 「…古典が、ねィ」 「っ…!」 古典がかよ!!!銀時だけではなく意味ありげなその会話を聞いてた周りの生徒も突っ込みを入れる。妙に期待してしまった分だけショックが大きい。 「あ、…あぁ、あ、そう」 そりゃ良いことだね、2年になってもどうぞ頑張ってくださいね、銀時はしょぼんと肩を落とした。うわこれマジヘコみそう、銀時は思う。ちょ、一ヶ月くらい引き篭もりそうマジで。新たなるニートがまた1人誕生するかと思われたがしかしそれを沖田がはからずも止めることになった。 「だけど」 あぁもういいよ、喋んないでこれ以上銀さん傷つけないでお願い!思ったけど願いにそぐわず沖田は構わず喋ったがしかし銀時を傷つけることはしなかった。 「先生の方が、もーっと好きです」 え、それってあの、例のCMの?ちょっとふる…、いやいやえっ!? 「えっ!?」 「好きです」 もう一度、今度はCMのリズムにのせて冗談っぽくじゃなくって瞳きちんと見てまるで愛の告白のように言われていやいやまるでじゃないこれって愛の告白なんじゃない!?だけどまたさっきみたいに突き放されるんじゃないかと思って銀時は少しうかがうように沖田の方を見る。珍しく沖田は顔赤くさせて余裕のない表情しててきっと不適に笑ってんだろうと勝手に予測してた銀時は不意を打たれて自分も赤くなるうっわえぇこれマジでですかァアうぉっしゃぁあ!!そして心の中で大きくガッツポーズを決めた。 とりあえず何か言わないと、銀時は思ってあわてて口を開く。 「先生も、好きです」 うわっ、つまんね!ロミオのように流暢にとはいかなくったってもうちょっとこう、なんか、なんかなんとかなったんじゃないの、ねぇ!?だけど沖田がうれしそうにはにかんでくれたから、くそつまんねぇ台詞も甘い口説き文句に変わったのだった。 END |
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アントルメ 060211 |