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「土方さん、土方さん!」 彼に弾んだ声で名前を呼ばれた時に良い経験をさせてもらったことがない。だから返事は返さなかった。このまま沖田が通り過ぎれば良いと思っていた正直相手をするのが今はめんどうくさい。甘えてくる気満々なのが見てとれたからだ。 思ったとおり沖田はべっとりと土方に体全部を使ってはりついてきて、あー…土方は抱き返すのも面倒で本来なら沖田の背中に回るべきである2本の腕をぶらんとだらしなげに垂れ下げながら掠れた声を出した。 沖田は相手にされてないのしっかり分かっているはずなのだけれど気にせずに背中に回していた手の平をじょじょに下方へと下げていって腰を通って前の方へと移していく。どこで仕込まれたんだってほど自然に。 「土方さんの、大好き」 「…あぁ、そう」 そしてさわ、と、土方自身に触れながら顔をはにかませて言う訳だ。 沖田は土方にくっつけていた体を離すと床に膝立ちになって土方のペニスに顔を近づけた。土方はそんな沖田を冷たく見下ろしながらそういえば、と思い出す。昔は、やれと言う度にいやそうに顔を顰めていたのになぁなんて。今でこそこんなに淫乱になってしまってそんな沖田ももちろん嫌いではないけれどあの初々しかった態度も良かったのにな、と。 沖田はうっとりと、発情しきった顔でかちゃかちゃとベルトを外しにかかっていた。 本能なのだろうか、土方はペニスを口に含もうと嬉しそうに小さなおくちをあける沖田を見ながらある事に気付いた。求められると、あげたくなくなる。 「…」 「やっ…」 無言で顔を押し返しペニスから遠ざけさせてみた。舌足らずな声をあげて物欲しそうな顔を沖田がする。あぁこれだと、土方は思った。切なそうに眉を寄せて含む気満々だった口腔、唇を喪失感にわななかせてうー、とかあー、とか、悔しそうに顔を歪める沖田を見ながら、土方は思った訳だ。 フェラされるのは好きだけれど、それより沖田から好きなもの取り上げるほどがもっと好きだ、と。 END |
| ほしいもの 060310 |