「あぁもうごちゃごちゃうるせェ!!」
「っ」

びくんっ、と、沖田の肩がはねた。そしてあぁ、やっちまったと思う。年に何度かはやってしまうのだ。土方と沖田、どちらが優勢そうな立場にいるかと聞かれれば大抵の隊士が沖田だと答えるだろう沖田はいつだって土方を振り回していたしとんでもないいたずらを土方にふっかけていたしそれに土方はあまり本気で怒らず冗談のように怒鳴るだけだったから自然と2人の位置関係はそうだと思われているだけれど本当は、違う。本当に怒った土方にだけは沖田は敵わなかった。それを分かっててつい余計に変な意地を張ってしまったり無駄に土方の怒りを煽ったりしてしまう。沖田は冷たく自分を見つめる土方をぼんやりと見ながら随分と、焦った。

「全部服脱げ」

土方さんはすぅぐそっちの方へいくんだから。もちろん口に出してはいない。だけれど心の中を読んだのか(絶対そういうの心得てると沖田は思っていただっていつだってタイミングがぴったりすぎる)そう思った途端絶妙なタイミングで平手がとんできて沖田は避けようかどうしようか迷ったけどそんな粋なことしたら土方の怒りを煽ることは必至でやめておいた。パァンッと高い音が鳴り響く。うわ、痛っ、沖田は顔を顰めた。叩かれた瞬間ぎゅっとつむっていたその瞳をゆっくりと開けたらいやに床が近くて(目から5センチほどしか離れていない)自分が倒れこんだことに気付く。血の味がした。本当この人手ぇ早いな、沖田は思いながら土方にばれないように小さく溜息を吐く。

「言うこときけねぇんならもう一発だぞ」
「はいはい分かりやしたよ!」

脱げば良いんでしょう、脱げば!もちろんそこまでは言わなかっただけれど今度は蹴られた、肩を思い切り。後頭部が床にごっつんこした。痛い。もう分かりやしたから乱暴はやめてくだせぇ、沖田は唇とんがらしながら言って寝たままの姿勢で着ているものを脱いでいく。がばっと威勢よくベストを脱いでぷちぷちとワイシャツのボタンをはずす。だけど2つ目はずしたところで土方が手を出してきた。

「ちまちま外してんじゃねぇよ」
「っわ、」

バッとシャツをやぶる勢いで両側に引っ張ったのだ。ボタンがちぎれてぶちぶちと四方にとんでいく。これ犯されるみたいって思って沖田は唇を噛んだ。土方はそのままシャツを離すことはせずにぐいとそれを引っ張って沖田を起こす。勢いよく起き上がった上半身を肩を強く掴むことで止めて噛み付くようにキスをした。んう、と、沖田は鼻にかかった甘ったるい声を出す。

「ん、…んっ、」

その舌遣いがいやに優しくてあ、酷くしないのかなって沖田が一瞬期待した瞬間(まただ、またこの絶妙なタイミングだ!沖田は毒づく)思いっきり、舌を噛まれた。

「うっ」

反射的に土方の肩を押して口を離してもらおうとあがいたけれど土方は沖田の体をしっかりと密着させていてそうさせてくれない。もちろん噛んだ舌も開放してくれない。痛みに涙が滲んだ。息がしにくくて苦しい、うっすらと目ぇ開けたら土方は何でもないような顔しててこんなに苦しい思いさせておいて何平然とした顔してんの!?沖田は思う。
本当に、気を失う寸前だったと思うやっと土方が口を離してくれた。

「ハァッ、はぁっ、う、ひたい…」

舌が切れた、血の味がする。激痛だったこんなんひどい、沖田は床に顔を伏せながら眉を顰めた。だけど受け入れるしかなかった、沖田は土方の行動を拒みはしない。怒らせてしまった自分が悪いのだからと言い聞かせて。


END

これ土沖の基本形です
でもあまり意味はない 

  ミナント 060313