土方さんに溜息を吐かれると結構傷つく。
いや。いやいやいやそんな事ないそんな事ない傷ついてなんてない傷ついてなんてない沖田は頭を振って確かに傷ついてるくせに今だって胸が痛いくせに思い切り否定をしてみた。だけれどそれと同時につい先ほど溜息吐かれたのがフラッシュバックされて、眉を顰める。
溜息吐いた後、土方はすぐに踵返してどこかに行ってしまった。怒ったのだと思う呆れたのだと思うきっとしばらく口きいてもらえない、沖田はとても後悔をしていた。自分が言いたいことを言っているとそれがどうも土方の癇に障ることばかり言ってしまうようでいつの間にか土方の機嫌は悪くなっていて怒られることになる。ある程度のところでやめておけばいいのに、ほんの少し前の自分を馬鹿だと思った。

土方に厳しいこと言われると、冷たくされると、表面には少しも出さないけれどだから誰も気付いてなんてないだろうけれど、沖田はとても傷つくわけなのです。あぁはいはい分かりましたと、上手く流すことができないのです。別に気にしなきゃいいんだろうけれど、気にしないことができないのです。



「あっ、土方さん!」

沖田が次に土方に会ったのは食堂で、だった。沖田は入ったばかり土方は出る寸前といったところでだけれど思いっきり目があったのに、思いっきりふいっと顔をそむけられて思いっきり無視されてしまった。むっかぁ、と腹が立つのと同時に周りの視線が痛くてうわぁ沖田隊長シカトされてる可哀想なんて同情の声が聞こえてきてカァと頬が熱くなる。屈辱だ。何も隊士の目の前で恥かかせなくったって、沖田は頬を膨らませながら思った。意地悪、べぇー、後ろ姿に向かって思い切り舌出した瞬間くるりと土方がこちらを向いて気付かれてしまう。何か言われるかと思ったけれどもそれもまたシカトで、舌だしたままの間抜けな顔のままぷいっとまた土方に顔をそむけられた。うっわ、うっわ、うっわぁ、沖田ははずかしくってむかついて近くにあったしょうゆぶっかけてやろうかと本気で思った。


END

 

  加速する独 060502