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何気ない顔しているけれど沖田は発情していた。横にいる土方にさわりたくてさわってほしくて仕方が無かった。だけど土方はお仕事中の顔をしていて、手が出せない。本当にさわりたくてたまらないからこそ不用意にさわることができなかった。だって拒まれて触らせてもらえなくなったら終わりだ。それに土方は沖田が触りたいと思えば思うほど触らせてくれなくなる、何故かってそんなん分かりきっている土方が意地悪だからだ。 「あー…」 沖田は乾いたような声を出す。ボケッとしているとつい熱っぽい視線を土方にやってしまって大変だ。これじゃすぐバレちまう、沖田は思って意識的に目をそらした。いらいらともんもんがつのる。あー…、また声を出しながら頭をがしがしとかいた。そうしていたらふと通りすがる山崎の姿が目に入って、沖田はこれ幸いとばかりに飛びつく。 「やまざきぃーー!!」 気付いた瞬間山崎は嫌な予感がしたのだろう、逃げだそうとダッシュの体勢に入ろうとしたが沖田はその前に首根っこを掴んだ。チッ、山崎が思い切り舌打ちをする。 「ちょっと相手して。暇してんの」 「や、しません。俺は暇じゃないんで」 キッパリと断られてバシッと沖田は頭をぶん殴った。いらいらしていた分余計な力が入ってしまって、いてぇえ、山崎の大きな声が上がる。 「ちょっとおめぇ冷たくね?上司の命令きけねぇの?ちんこ蹴るぞ」 「沖田さん…」 何言ってるの、冷たい目で見られてしまって沖田はむくれる。何呆れたよーな顔してんでェ、蹴っ飛ばしてやる!思考が暴力的になってしまうのは仕方ない。本当ならお前の相手なんてこっちから願い下げだバカヤロー、こっちだってなァお前なんかより、お前なんかより!思っていたら後ろに気配を感じた。 「総悟」 「!」 びっくん、体がはねて、一瞬動けなくなる。その隙に山崎に逃げられた。だけれどもう山崎なんて必要ない、沖田の頭の中は再び土方でいっぱいになる。土方が次に言葉を発するまでほんの数秒、だけれど沖田にはその数秒が長くて、どう土方が出てくるのか心配で、心臓が音をたてて震えていた。 「お前ってさぁ、本当分かりやすいよなァ」 土方の方を向けなくてどんな顔してんのか分からなかったけれどきっとにやにやと意地悪く笑ってるんだろうと思う。 「さわって欲しいっての、もう少し隠したりできねぇ訳?」 「ん…」 「ん、じゃねぇよ」 そっと、首筋に触れられた。ひくんっと体が震えるようにはねる。そこから土方は指先をほんの僅かにすら動かしてないのに頭も体もポーっとしてしまう。もうやべぇんじゃねぇの俺、本気で自分の身を按じてしまう。 「気持ちよさそーな顔」 「う、…」 そりゃ気持ちイイですからね!!口はあ、とかう、とか情けない言葉しか出せないくせに心の中では無駄に元気な返事をする。土方は後ろから抱きしめてきて、脇腹や首筋を愛撫するようないやらしい感じにではなく、沖田の望む他愛のないただのコドモへのコミュニケーションのように触ってくれた。こういう風に撫でてもらえることは、少ない。いつだって沖田に触れる土方の指先には性的な卑猥さが多分に含まれていた。そういうのだって嫌いではないけれど、たまにそういうの抜きで接して欲しい時がある。そういう時を土方は敏感に察知とってくれて、だけれどだからってそれをしてくれる時はほとんどない。 「…土方さんやさしい」 「あァ?何?やなの?」 小さく首を横に振る。何だかよく分からないけれど、せっかく珍しいことに優しいのだからその優しさに甘えてしまおうどうせなんだから、いっぱい触ってもらおう沖田はしたたかに思う。そして土方と向き合うともっと、小さく言ってすりよっていった。 END |
| すくっておとして 060519 |