「本当さァお前ね、ぶっとばすよ」

溜息と共に投げかけられた言葉に、きゅーーんっ、心臓がそんな音をたててなった。あれ?沖田は思う。ちゃんと土方が言ったこと理解できてますか?俺。本当さァお前ね、ぶっとばすよって、言われたんですよ。だけどその言葉思い出してる間にもきゅーんとしていた、理解できてないわけではなかったらしい。次に沖田は考えるどこの部分にきゅーーんっとしたのか。「本当さァ」、違う「お前ね」、違う「ぶっとばすよ」きゅーーんっ!あ、これだ。やばいと、沖田は思った。
とりあえずきゅーーんっとしたのは隠して普通の返事を返そうとしたのだけれどどうやらきゅーーんっとしたのは顔にも出ていたらしくて気が付いたら土方が怪訝そうな顔でこちらを見ていた。

「お前…言われたこと分かってる?ぶっとばすっつってんだよ?何イった後みてぇな顔してんの」
「さぁ…」
「さぁって…」

首かしげながら言ったら呆れたように短く溜息吐かれた。さぁじゃねぇだろ、さぁじゃ、土方が呟くように言う。だけれど土方はちゃんと分かっていた沖田がイった後みたいな顔している理由。だけれどその理由に、また溜息が出そうになる訳です。

「もうさァ…俺ァ付き合いきれねぇよお前のマゾさには」
「えー」

えー、じゃねぇの!ぴしゃりと言い付けたらむくれられた。

「土方さんだって俺のことぶっとばすの好きなくせに」
「ハァァア?なに人の嗜好勝手に決めてるんですかーお前と一緒にすんな気分悪ィ」
「……」

本当に嫌そうに言ったらじっとりと睨まれる。冷たく睨み返してやったらすんなり視線をそらして今度は瞳伏せて眉を寄せた。しゅーん、という効果音がぴったりの表情に土方の良心がほんの少し痛む。見てられなくて視線を逸らしたら恨みがましく言われた。

「誰のせいでェ…」
「俺のせいだって言いてぇの?残念だけどそれは違いますお前のマゾは生まれつきです」
「…」

きっぱりと言ったら沖田は暫くの間黙って、その後どんっと体当たりする勢いで土方に抱きついてきた。ひっぺはがそうとしたけれどその前にぎゅうと強くしがみつかれる。

「あーもうなんで土方さんってばそんなに冷たいのー!!」
「おめぇがウゼェエからだよ!オラ、離せ!本気でぶっとばすぞ」
「やだ!」

叫ぶと余計しがみつく力を強められて勘弁してくれと土方は眉間に皺を寄せた。しかし隙間がないほど体を密着されて、沖田のふくらみ始めている股も土方の体に押し付けられて、それに気付かされて土方はほんの少しくらっとする。何勃起してんのー!?今このやりとりのどこに欲情されたのですかこの変態!ドM!罵ってみたけれど実のところそんなに悪い気はしていなくて、無意識に右手がそっと沖田の尻にのびていた。


END

 

  じな 060520