「それじゃあ、真選組1番隊隊長沖田総悟、巡察に行ってくるであります!」
「バカなこと言ってんじゃねぇよ」

びしっ、敬礼すると回れ右して出て行こうとした沖田の襟首を土方は掴んだ。ぐえ、進もうとした方向と反対の方向に襟首を引っ張られ喉がしめられて変な声が沖田の口から出る。何無駄に気合入れてんだよウザったらしィ、土方はぼやきながら掴んだ襟首をそのままにずるずると引き摺っていった。それから逃れようと動く沖田の手がぱたぱたとむなしく空をきる。

「ちょっ、やだ土方さん!離せテメェコラ!」
「何が巡察に行ってくるであります、だこんな時だけ真面目になりくさってよォ」

今日は、身体検査の日だった。沖田は体をいじくりまわされるのが嫌いで、不快で、いつもその日になると逃げようとする。中でも1番嫌いなのは採血ならしい。土方は情けない、冗談にもなっていない!いつも思っていた。

「何怖がってんだよ、注射くらいで」
「怖がってんじゃねぇよ、気持ち悪ィからイヤなんでィ」

想像してか沖田が不愉快そうに眉を寄せる。確かに採血の血を吸い取られるような感覚は決して快いものではないけれどもだからってそんなにも嫌がらなくたっていいではないかと土方は思う。だけれど沖田がこんなに嫌うものなんて限られていて、本当に嫌なんだろうなぁとも思いはするけれどまぁ我慢しろ、それが土方の意見であった。





「オラ、腕出せ。わずらわせるんじゃねぇの」
「…」
「総悟」
「…っ、なんっでェ、そんなに血が欲しいならいくらだってやりまさァ!」

言ったかと思ったらチャキ、刀を抜いていつもの流れるような速さで腕を斬ろうとしたものだから土方は血の気が引いた。沖田は加減を知らない。絶対必要以上に血が流れることになるに決まっている。そんなことになったら面倒だし、コイツはいつも貧血気味だからぶっ倒れるかもしれないと、土方は予測する。沖田は無駄にいつも以上に俊敏で、土方は止めようとしたのだけれどあ、間にあわねぇかも、本気で思って一瞬ぞくっとしてしまった。

「オィイ!!!」

しかしすんでの差で手首を引っ掴んで何とか流血沙汰になるのはまぬがれる。けれど刀は腕に触れていて、斬れる一刹那前だったのが分かった。背に汗が垂れるのを感じる。口腔にたまっていた唾液をごくんとのみこんだ。そして良かった、思ったけれどしかし安心したら次に怒りがでてきた。怒りに任せてバコッと思いっきり沖田の頭を殴ってやる。

「テッメエエ、何しようとしてんだよ!!」
「ちょ、ちょっと斬ろうとしただけじゃないですかィ…」

何でそんな怒ってんの、言いたげな目で見られてしまって土方は余計きれた。事の重大さが全く分かっていない、今すぐ腕縛り上げて犯してやりてぇ、土方は思う。しかし沖田は自分が犯した事の重大さは分かっていないようだけれど土方がキレてるのは分かったようで、しぶしぶシャツをめくりあげて腕をさしだした。

「なにおこってるんでぇ…」

ぶつぶつ言いながらしかし流石に注射の針が肌に押し当てられるとひくと体を強張らせる。きゅう、と袖の裾を不安そうに握られて悪い気はしないけれどこれ終わったらぜってぇ犯してやる覚悟しとけよそういう思いをこめて睨んでやった。


END

なんか…採血弱いといいなって思ってね痛いからとかゆーんじゃなくてね 

  ウェー 060526