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沖田の行動の8割は意味が分からないのだ。 もう1週間ほど前からか、土方の靴が毎日1足ずつ消えていっていた。誰の仕業かなんてわかりきっている。だけれど土方はあえて無視していた。しかし昨日で最後の1足で、今日履いていく靴がない。ハァ、と、土方は溜息を吐くと沖田の部屋へと向かうことにした。 「おい総悟!!」 「知りやせん」 バンッ、と、扉を開けながらドスのこもった声で言えば沖田はまだ何も言っていないのにつんっとそっぽを向いてそう言った。明らかに怪しい。視線を合わそうとしない沖田を冷たく見下ろしてやる。 「まだ何にも言ってないんですけど」 「俺は何も知りません」 沖田は土方が何を言いたいのか勿論分かっていた。それをしたのが自分以外の他の誰でもないと土方が思っていることも知っていた。だけれどそ知らぬ振りをする。土方はもう呆れているようで、それも沖田は分かっていた。 「何にも言わねぇから靴を出しなさい」 「…」 「怒らないから」 「…」 しばらく黙った後沖田があっち、と指をさした。さした先は外だ。 「どこ?」 「…つち」 「つち?」 「つちのなか」 「土の中!?」 びくっと沖田の体がはねた。叱られるのが怖いのなら始めからやらなければいいのにと思うのは俺の間違いなのだろうか、ハァと溜息を吐く。掘り出そう、土方は思い立った。お前も来い、言っただけでは沖田は動こうとしなかったけれど手を引けば抵抗することなくついてきた。 「どこに埋めた?」 たずねたら沖田はすんなりとあそこ、と、教えてくれた。何の目印も無い、どうしてここに埋めてあるの覚えていられたのか分からない、土方はまぁどうせ野性の感性なのだろうと思う。さく、と少し掘ってみたらビンゴだった。1足目が姿をあらわす。土方は掘り出しながら、怒ったらだめだ怒ったら負けだ、思いながらだけれども溜息を抑えることができなくて、溜息とともに言葉も出てきてしまった。 「…なんでお前はこういうことをするの?」 だって、この行為で得れるものなんて何にもないじゃないか。沖田は穴をほって疲れるだろうし庭は荒れるし靴は汚れるし自分は苛立つしで良い事なんて1つもないように見えるのだけれどそれは俺の視野が狭いからだろうか、土方はほんの僅かにだけ真剣に考えてみた。広く沖田の心を悟ってやろうと思ったのだけれどやはり理解することはできない。できてしまったら人間終わりの気もするが。 沖田は、今までどちらかと言うと少し怯え気味で気弱に瞳伏せていて、だけれど突然にふっ、と、横を向いて瞳を細めた。丁度いい具合に風が入り込んできて沖田の髪をゆらす。 「血がねぇ、さわぐんでさァ」 「何の血だよ!!」 ゴンッ、いつもより少し強く殴ればいったァと沖田がわめいた。 「怒らないって言ったのに!」 「怒ってねぇよただ殴っただけだ」 俺をここまで苛立たせたことへの代償が拳骨1度だけなんて軽いもんじゃねぇか、土方はってゆーかそれ以上のこと俺ができないんだけどねと自嘲気味に笑った。 END |
| ある晴れた月曜日 060603 |