「あつい、だるい、土方しね、さむい、きもちわるい、しんどい、土方しね、土方しね!」
「…あついのかさむいのかどっちだよ」

うっかり溜息を吐きながら土方は明後日の方向を向いてみた。沖田が風邪で寝込んだというのでわざわざ様子を見に来てやったのに、沖田は先ほどからこの態度なのだ溜息も出てしまうしょうがない。だって土方は知っていた。先ほど近藤が来た時には嬉しそうに笑って(忙しい仕事の中自分が休む間も惜しんで、茶ァ1杯飲む間も惜しんで会いに来たのだからそりゃ嬉しいだろうけど)、近藤さん、来てくれるのは嬉しいけど風邪がうつりまさァなんてかあいらしいこと言っていたのを。咳する時は布団で自分の口元おさえて菌がとびちらないように、なんて健気でいじらしい心遣いまでしていたことを。この違いは何だ!土方は思う。土方には先ほどから文句ばかりたれて(俺だってクソ忙しい仕事の中来てやったのに!)、唾ぶっかける勢いで咳してきやがるわけだ。

「う〜…、ダルい…死ねぇ土方死ねぇばかーばかー」
「なんだお前は死ね死ね死ね死ねってよォ!!」
「言ってるとなんか落ち着くんでさァ」
「俺が落ちつかねぇわ!」

お前のことなんか知るか死ねェっ、沖田はぷいと顔そむけて布団の中でごろごろ転げまわる。うーうー唸って死ね死ねとまだ呟きながら。大分汗をかいているし、随分しんどうそうだとは思うけれど、土方も大分イラついてるし、随分傷ついた。それが言い訳になるかどうか分からないけれどそんな事知るかァボケェエ土方は勢いで布団をバッとまくりあげる。

「やだ!なに…」
「黙ってろ」

一気に冷気が入ってきて、熱がこもっていた布団の中の沖田の足がふるっと震えた。土方は横暴に沖田の上から完全に布団をとりさってしまう。そして沖田が布団を取り戻そうと手を伸ばしたのを見てその手の甲を叩いた。

「何すんでぇっ」

むっとして、叩かれた手の甲押さえながら沖田が土方を睨む。そしてそのまま起き上がろうとしたものだから土方は肩を布団に押さえつけてそれを止め上に跨った。それからするりと、太ももへと手を這わせる。

「わ、あっちィ…」

思ったよりそこが熱を持っていて、土方は思わず口に出してしまう。これ39度は余裕でありそう、土方は考えてやっぱイタズラすんの可哀想かなぁと少しだけ思った。だけれどいつもより敏感になっているのか沖田が過剰に反応を返してきて、その手が沖田のペニスまで這うのを止められない。

「ちょっと…やめてくだせぇよ!」
「高ぇ声だすな、うるせぇ」
「熱何度あると思ってんですかィばかやろー!」
「何度あんの?はかってやるよ」

意地悪く笑うと土方は傍にあった体温計を手にとった。丁寧にケースに入れられてるそれを取り出して、土方がもう1度冷笑する。ぞくん、と、熱のせいではない寒気が背筋を這った。遠慮しときやす、枯れる声で言ったけれど土方は止められない。

「あ、あ、…や、」

太ももを這っていた手が着物を捲る。下着も脱がされてしまって沖田は眉を寄せた。だるくて少しの抵抗もできない。いつも以上にされるがままにされてしまって悔しさに唇を噛んだ。だけれど元々熱のあった身体が土方に弄られ余計に熱をもってしまって、あつくってだるくってしんどくってどうしようもなくなってくる。

「土方さん…やだ、」

うぅ、と、唸りながらほんの少しだけ腰をよじった。尻に這う土方の手を避けるように動いたらパァンッと高い音を出して叩かれる。病人に何するんでェ、言おうと思ったのに声が掠れてでない。尻を這ってた手が、いよいよ1番敏感な部分に触れられて、びくんっと身体がのけぞった。

「うわ、マジあついんですけど」
「だったら抜けバカ!」
「…」

かすかすの声で言った沖田の言葉に土方は返事は返さなくて、代わりにぐいと指を奥までつっこんだ。痛みに沖田の顔が歪められる。

「いってェ!…やだ」

はぁはぁとしんどそうに荒い息をくり返す沖田。泣きそうに歪められた顔が可哀想で可愛くて、指を引っこ抜くと代わりにソコに体温計をぶっさした。

「ヒッ、」

沖田が小さく引きつった声をあげる。その後あぁ、と、身体を震わせながら吐息を吐いた。奥まで突っ込んで、表示されている数字を見る。

「うわぁ、どんどん熱上がっていってんだけど」

沖田さんダイジョブですか?沖田の方を見てみたら恨めしそうにこちらを見ていた。それが気に入らなくて無言のままくいと体温計の先っぽを下に引いてみる。

「ひゃァッ!」

ビクビクッと身体がはねてまた一気に熱があがった。またその身体のはね方がね、エロいのなんのって、土方は思わずこくと固唾をのんでしまう。そして改めて沖田の方を見てみて、上気して赤く色づく頬に浮かぶ汗、楽なのか両手を折り曲げてそれぞれ耳の横まで手を持っていっている格好が、あんまりにもセクシュアルで、たまらなくなってしまった。うわぁ、何この子、さっきまで死ね死ね言ってた子とは別人みたい、土方は心の中で思う。

「わっりィ総悟、…1回だけつっこんでい?」
「しんどいからやだ!」
「うん、すまん!」
「やだってばばかーー!!」

土方が聞いた意味などほんの少しもあるはずがない。沖田は抵抗も虚しくいま現在挿れられているものより数十倍ぶっといのを突っ込まれた。











「…もう、行くんですかィ」

寝ているだろうと思い静かに部屋のドアを開けた瞬間、沖田が小さな声で言った。あぁもうそろそろ…、言う前に沖田に先に口を開かれる。

「なんでェ…ヤりにきただけかよ」

ぷいっとそっぷ向く沖田見ながら土方は、思い出していた。近藤が出て行く時沖田は、笑って手を振っていた。がんばって下せぇね仕事、なんて言いながら。だけれどにっこり笑っていたけれども寂しくてたまんないって言いたいこと土方には分かってて、言わない沖田がいじらしくてどうも沖田は昔から遠慮しがちなところがあって自分の欲求ちゃんと口にできないところがあって、なんて思っていて、だけれど自分にはそれを言ってくれた。願望言ってくれた。わがまま言ってくれた。ごめん近藤さん俺すげぇ優越感、ぶっちゃけやーいやーいとか言いたい!だけれど言えれるはずがなくて沖田の傍までいってしゃがんで、しかし笑みを零すのは我慢できなかった。

「んな訳ねぇだろ、ばか」

ふっと笑って、優しくキスをした。


END

朝チュン(?)ごめん 

  をつがせて 060621