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「副長が、呼んでますよ」 副長室行って下さい、山崎に言われて沖田は思わずビクリとはねそうになった体を力を込めることで止めた。あ、そう、へぇ、気の無いような返事を返すと伝えましたからね!ちゃんと行って下さいよ!念押すように言われてお前に言われなくても分かってらァと沖田はひねくれたように思う。行きたくないのは山々だけれど今行っておいた方が良い事を沖田はよく知っている。ここで逃げたって、後でもっとひどいめにあうだけだ。あぁあ、と、沖田は憂鬱そうな声を出した。 「失礼しやす」 副長室の襖を開けると土方と、それから近藤がいて沖田はホッと胸をなでおろす。近藤もいるならそんなにひどい事は土方もしないだろうと、思ったからだ。 「総悟、何で呼ばれたか分かってるよな」 「…うん」 「うん、じゃねぇ。子供かお前は」 「……はい」 むかつく、なんでィ返事くらいなんだって良いじゃん、思いながらだけど腰下ろしたら無意識に正座してた。だってこういう時の土方さん怖ぇんだもん、沖田は思う。無駄に怒鳴られるのはごめんだ。 「注意すんの、何度目だ?」 「…」 低い声で睨まれながら言われてぼそりと10くらいと答える。途端にダンッと机を叩く大きな音がして思わず体がびくりとはねた。オイオイ何そんなに怒ってんでィ、心の中でだけは余裕そうに沖田は思ってちらりと土方の方を盗み見る。 「なに冷静に言ってんだてめぇは反省する気あんのか!」 怒鳴られてむかついて自然に唇がとんがった。不機嫌そうに瞳を伏せれば文句あんのかあんなら言ってみろコラ、ヤッさんのような迫力で土方が言うのを聞きながらアンタ転職すればいいと沖田は1人思う。ケーサツなんかよりよっぽど似合ってやがるって思ってたらそれが顔に出てたのか土方がまた怒鳴るのが聞こえた。文句あんなら言えっつってんだろ! 「ま、まぁまぁトシ、お前だって総悟の年くらいの頃は喧嘩っ早かったじゃないか」 「昔の俺と今のこいつとじゃ立場が違うだろう!」 あんまりにも土方の剣幕が凄いものだから近藤が止めに入ってくれたけど、土方は態度を改めなかった。ガッと胸倉掴まれて沖田は一瞬ビビってしまう。しかしそれは顔に出さず、シラッと、何でもない風を装っておいてやった。 「いーーから落ち着けってトシ、な!」 「俺は落ち着いている」 「どこが…」 「アァ!?」 ボソッと悪態吐いたら聞こえていたらしく土方が凄む。胸倉掴まれている力を強くされて息がしにくくって少しだけ咳き込んだ。 「アンタだって喧嘩してんのみるとすぐに入ってくだろィ!」 ボソリと、小さな声で、だけど土方に聞こえるように言ったら土方がまた怒鳴ろうとしたのが分かったのでその前に叫んでやった。 「それにアンタおかしいんじゃん!」 「…何がだよ」 「アンタの叱り方母ちゃんみてぇ」 全くもってその通りなせいか近藤がフッと笑った。だけれど沖田は笑う気になんてなれない。何でいつまでも保護者ヅラされないといけねぇんだって思う。 「そんなんおかしい!」 ビシッと言ってやって、言い返す言葉がないのか土方が黙ったところでトントンと控えめなノックの音が聞こえた。その後あの〜という情けない山崎の声もした。 「お取り込み中すいません…局長ちょっと、お電話が…」 「あぁ」 分かったすぐ行くそう言って近藤はトシ、あんまり怒るなよ、総悟もな、ちゃんと反省しろよ、釘をさして去っていった。げーーーっと、沖田は思う。やばいって、思う。じゃあ俺も失礼します、もうしないので、はんせいしましたので、言いながら立ち上がろうとしたらぐいっと頭おさえつけられて阻まれてしまった。 「母ちゃんみてぇな叱り方、ねぇ」 「……」 「それが嫌なら、仕方ねぇなァ」 なぁあににやにやしてんだよォオオ叫んでぶっ飛ばして逃げたかったのだけれど沖田はぴくりとも動くことができなくってあぁあ情けないって思う。土方の怖さは頭より体の方がよく知っている。だけど土方の手が自分によってきてその手に痛いことされるんだって思ったら自然と逃げようと体が動いた。でも。 「うぎゃっ」 足が動かなくってばったんとその場に倒れこんだ。じんじんと、しびれている、足が。慣れない正座をしていたせいだ。足が言うこときかなくって沖田は無様にその場に倒れている。土方がうっすらと笑みを浮かべていた。状態は最悪だった。土方から見たら最高だった。 「まぬけだなーお前」 「うる、ふぎゃああ」 悪態吐こうとしたら足の裏ぎゅうと踏まれてしびれが体を走って情けない悲鳴がでてしまった。きゅうそねこをかむ。沖田の頭の中に覚えたばかりの諺がよぎった。やってやろうか!思ったけれど無理だ。poor thing!! END |
| バイブつっこんだりいろいろしたかったけどどうぞ脳内でお願いします
Poor thing 070514 |