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絶対的に自分の方が上の立場だと思っているからか、沖田が言うことをきかないと物凄く苛立つ。何もいつもそうな訳ではないけれど、時々、だ。どんな小さなことでも拒否されるとぶん殴りたくなる。こっちにこい、それにかえってくる返事が「いやでィ」な時、無理にこっちに来させようとして掴んだ手を叩かれた時、ぷちん、と、頭の中で何かが切れる。 沖田は基本的に土方の言うことなんてききやしない。おい総悟、呼び止めたってこっちにきやしないそんないうことすら沖田はきかないまるで言葉が通じていないよう。こっちにこい、腕ひっぱってやって漸くこちらの方へくる。そんなんいつものことでそんなことでキレていたら毎日何十回とキレなくてはいけなくなる。だから、本当に、時々、なのだけれど。 沖田の意思が自分の思い通りにならないのが嫌なのだ。俺がいなければ何にもできないくせにって思っている自分を、どれだけ奢り高ぶれば気がすむのかと、正常な時の土方は笑う。だけれど時々そんなこと思いつきもしない時があるきっと自分はどこかおかしいのだと土方は自分でちゃんと分かっていた理解していただけれどそれを直すことはできなかった。 「オイてめぇ俺の言うことがきけねぇのか」 「時々」の時を沖田は敏感に察知する。そして大人しくなる。だけどもう遅い。怒った土方は何でもする。どんなに酷いことだって躊躇いなく。沖田は潮らしく頭さげて殊勝にしてみせた。怯えているのかもしれない。今土方は90%「おかしいおれ」に侵されていて、残りの10%の「いつものおれ」の脳みそでそう思った。 沖田は、涙をこぼすとき頭を斜め下に向ける。土方はその仕草が好きだった。どんなにいじめてやったってたまにしか涙なんて流さないけれどだからこそというべきか、土方は沖田の涙に何よりも強い性感を感じた。変態、沖田によくそうやって軽口を叩かれるけれど否定できないかもしれないと思ってしまう。だって、そうじゃなければこの劣情はなんだ。男の涙を流す姿に興奮するなんて、頭がおかしいとしか思えない。 でもさ。と、土方は考える。痛いから泣いているのにその涙で自分を余計煽らせることになっていじめたくさせている。なんて意味のない涙なんだろうと。土方は、可哀想だなぁと思う。その可哀想なことしているのが自分なことになんて「おかしいおれ」に90%も侵されている土方は気付きもしない。ただただ沖田に可哀想なことをした。 END |
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とまらない夜 070518 |