沖田が欲情をしていると土方にはすぐに分かる。べたべたと甘えてくるからだ。土方さん、呼びかける声は冷静を装っていて、どうも自分では平静のままでいるつもりらしいのだけれども土方から見れば明らかにいつもと違う。土方さん、欲情している時の沖田はそれ以外何も言わない。土方さん、それ以外に何も言わず傍によってきて、ぺたぺたと触ってくる。さも突っ込んで欲しそうな顔しているくせにそんなのおくびにも出さないようにしているものだから意地悪してしまいたくなるちゃんと自分の口から欲しいというまで。
いつもは、そうなのだけれど。
今日は本当に忙しくて意地悪する余裕もなかった。沖田に背を向けて土方さん、ずっと何度も声かけてくるのを無視してしまっていた。ぷく、と、沖田の頬が僅かに膨らむ。

「もう、いいですァ…」

不機嫌そうな声でそう言ったので帰るのかと土方は思ったのだけれど、沖田は帰らなかった。後ろで何かをしているような気配がする。何してんだと、もういい加減に大人しく帰れと、言いかけた瞬間背中にふにゃんと、やわらかい感触がした。あ、と、甘く痺れるような声も。土方はすぐにあてられたものがナニかに気付いてしまった。ペニスだ、沖田の。沖田はそれをぴたりと土方の背中に押し付けながら体を大きく上下に動かしている。擦り付けてオナニーしていた。

「オイ」
「んっ、…ん、」

なに人の背中使ってオナってんだと初めは呆れていた土方も、背中に触れるやわらかかったソレがどんどん硬くなって強く背中を刺激してきて、ほんの少しだけ欲情した。耳元で聞こえる荒く甘い息遣い、快楽を貪る沖田の一生懸命さに不埒な欲が煽られる。後ろで沖田が尻丸出しで腰を振り回してるのかと思うと正直仕事なんてやってられない。だけれど誰が素直に気持ち良くしてやるか、土方が意地悪く笑った。

「うぜぇ」
「あっ」

どんっと、突き飛ばされて沖田は畳に身を転がす。そこで土方は初めて沖田を見た。ほんの少しだけズボンと下着を下ろしてペニスを晒している姿は思わず固唾のむほど色っぽかった。沖田は先ほどよりよっぽどものほしそうな顔をしている。
沖田は恥ずかしかったけれども、それより刺激が欲しくてしょうがなかった。自分が恥ずかしい思いをすることで土方がソノ気になってくれるのならいくらでも恥ずかしいことしてやるって、思う。背中でのオナニーは、隊服が荒めの素材なのでこすれて正直少しイタかったけれど、擦り剥けてしまっているだろうと思うけれど、気持ち良くってとめられなかった。うっとりと余韻に浸っていたらうつぶせにされた。

「畳にでも擦りつけてろ」
「や、」

そうして畳に押し付けられる。腰を強く抑えられて畳にペニスが押し当てられて、畳の荒いめが肌にこすられて痛い。だけれど土方はそのまま手で腰を上下左右に揺らしてきた。すれてすごく痛くって、涙が滲む。

「ちょっ、や…」

力が入らなくて(いやきっと入っていたって敵いはしないのだけれど)なすがままにされて痛みに身を任せるしかない。

「オラ、自分で腰振ってろ」
「や、いてェってば…」
「気持ちイイんだろ?喘げよ」
「あっ、あ、…やっ、」

痛いってばばか!沖田は叫んだのだけれども、土方に嘲笑された。なに?って思って沖田は気付く。土方の背中を押し付ける手は、離されていた。沖田は自分でペニスを畳に擦り付けていたのだ。沖田は恥ずかしさに黙る。頭畳に押し付けて俺のからだのばか!えろ!罵ってやった。だけど腰が止まることはなかった。だって仕方がない。

「(きもちいいンでぇ)」




END

 

 れるささやき 070527