人の部屋で菓子くず散らかしながらせんべえばりばり食ってるのは何歩か譲って許してやるそのくらいなら別にさほど腹も立たない放っておけばいい。ぶっちゃけとてもうるさくて集中力を欠かれてしまっているのだけど怒鳴るのすら面倒臭くて土方は放っておいていた。カリカリと沖田に背を向けて書をかく。

「あっ、!」
「あ?」
「あーあ…」
「…」

不意に沖田の高い声が聞こえてきてそちらの方を見てみた。沖田が食べていたせんべえの袋を落としたらしくかすを辺りに撒き散らしている。あちゃーやっちまったぁ、呟く沖田を土方はそのままどうするのか見続けた。不精な性格の為少し掃除するだけで終わりそうだと思いもしそうしたら次こそは怒鳴ってやろうと思ったのだ。しかし想像よりも酷かった。沖田はそのまま少しも掃除することなく平然とまたバリボリせんべえを食い続け始めたのだ。

「オイィイイ!!何で掃除しねぇの!?何で掃除しねぇの!?」
「うーん、めんどいから?」
「…お前ここ誰の部屋か分かってる?」
「土方さんの部屋」

シラッと答えてばりっとせんべえ貪る沖田に妙にイラついた。部屋を汚されるのにも腹が立つし沖田の横柄な態度にも腹が立つしもう訳が分からないが腹が立つのにも腹が立つ。

「…」
「なんでぇ」

じろりと土方が睨んできたものだから、沖田も負けじと睨み返す。だけれどそれは睨みあっているというにはあまりに沖田が劣勢すぎた。沖田もそれが分かっててすぐに瞳を伏せる。土方が、くい、と、顎で零れているかすを指した。

「舐めろ」
「…っ」

ハァアアア!?何言ってんだコラァ調子乗ってんじゃねぇぞ!!思ったけれど言葉は口には出てこなかった。えらい俺!沖田は自分を褒める。きっと言ったらぶん殴られてた。そういう顔をしていらっしゃる。沖田は拗ねたように唇をとんがらせた。

「わかりやしたよ、掃除すりゃぁいいんだろィ」

つんっ、とそう言ってほうき持ってこようと(ってゆーかぶっちゃけ逃げようと)立ったらぐいと手首引っ掴まれて体を倒された。畳に強く肩を打ちつける。

「イッ、っ…にすんでェ!」
「舐めろっつってんの」
「…」

低い声で言われて沖田は何にも言えなくなった。

「何でそんな怒ってんだよ…」

この短気!!そこまでは勿論言わなかったけれど、沖田はどうしようと、顔を俯かせた。そうしてら、ぐい、と頭を強い力で畳につく寸前まで押し付けられる。

「聞こえねぇの?」

うわ、このまま頭ガンッとぶっつけられるかもってそうなったらいやだな痛いなって思ったらあぁどうせ、舌出すだけで土方のコンチキショーの思い通りになるんだからそれで気が済んでくれるなら、出したって、いいんじゃ、思って沖田は口を開いた。




END

 

サンチマン 070610