「うわー山崎ぼっこぼこ」

スッと障子が開いて現れた山崎が満身創痍だったものだから頬杖をついてパリッと煎餅をかじりながら沖田が言った。山崎はなんて返事していいのか分からずはぁ、とか曖昧なこと言いながら救急箱をとる。

「土方さん?」
「はい」

ぺたぺたと鏡を見ながら顔に消毒液を塗る山崎を見ながら沖田が聞いた。ふぅん、沖田は生返事をしながらまじまじと山崎を見る。随分とぼこぼこにされていた。何したのかは知らないけれど鬼だなってゆーか自分がそんな偉いと思ってんのかあのクソヤロー人の事殴ってどうこう言える立場なのかコノヤロー!何故だか分からないけど沖田はむかついてきた。

「っつーかさー大人しくやられてないでやりかえせばいいのに」
「そんなことできるの沖田さんだけですよ…」
「ハァ?一発くらい入れれるだろ。骨を斬らせて肉を断つんだよバカヤろ」
「そんな根性俺にはないです」
「おまえらがそんなんだからアイツが調子乗るんだよ。腹立つ!」
「沖田さんも殴られてみれば分かりますけどね、恐ろしいんですよ副長は…鬼みたいな形相してるんです。あれは引きますよ」
「鬼ねぇー」
「ってゆーか沖田さんは何しても殴られなくて…得ですよねぇ」
「…」

沖田が黙ったものだから、山崎はしまったと思った。まずいこと言っちゃったかなって。うわぁ俺もう満身創痍なのにこの上更に傷を負うことになるのか!なんてことだ!山崎は覚悟を決めていたのだけれど(どうせ殴られ役さ…)沖田の可愛い手のひらは握られはしなかった。それより、もっと衝撃的なことを言われた。

「俺は殴られるより酷いこと…されるけどねェ」
「…」

今度は山崎が黙る番だった。ええええええ超意味深!超意味深長!深く突っ込んじゃだめだ!ここはスルーだ!イッツスルー!へ、へぇ、ちょっとどもったけれどナイススルーが決まった。だけど沖田はスルーしてくれなかった。このKYKK(空気読めない可愛い子の略)め!山崎は心の中で思う。

「殴られる方がぜってぇましだと思うけど」
「はい…どうも…すいませんっしたーー!」

よく分からないけれど心の底から謝っている自分がいてあれもう何これそう山崎は思った。





END

 

フルコ 080109