寄っかかって抱きついて。マシュマロのように柔らかな感触を全身で感じながら、息を吸い込んだ。そうしてから銀時は少し、顔を顰めた。いつも甘い香りのするその身体から余り感心できない匂いを感じたから。

「…」
「……?」

顔を顰める銀時に気付いたのか沖田が不思議そうに首を傾げながら彼を見上げた。その仕草がリスに似ているとぼんやり思いながらけれど銀時は少し、不愉快だった。

「昨日、多串君とシたでしょ」
「おおぐし…あぁ、…土方さんね。……シやしたよよく分かりやしたね」
「煙草の匂いがねー」
「あぁ、…そう」

そう言った彼の横顔がセクシーで。伏せた目は誰を想うのか。銀時は知っていた。土方、だ。土方の事を想っている時の彼はとてもセクシーだと思う。いつも以上に、綺麗だ。こんな艶っぽい顔を彼抜きの会話の時に見せてくれた事はない。

面白くない。そう思ってカプリと柔らかな首筋を甘く噛んだ。う、と低く呻く声が聞こえてざまぁみろと少し思う。けれども誘うように首に腕を回されて。結局誘われて仕掛けるのはいつもこちらからだ。

「…あの人さ、荒く抱く癖に背中引っかくなとか、言うんですぜィ」
「………」
「イヤな男でさァ」

何のつもりもないのだろう。昨日セックスをしていてそう思っただけ。それを銀時に伝えただけ。何の毒気も嫌味も含まれてはいない言葉だと思う。この子はそういうのを上手く使える程器用ではない。それは知っている。けれどやはり 面白くはない。

土方の事を語る彼はとても楽しそうで。嬉しそうで。とても穏やかでやわらかな表情をしている。愛らしい。素直に思う。けれど素直じゃないのは自分の心だ。嫉妬と言う感情が剥き出しになると我ながら恥ずかしいのだが面白いほどに不機嫌になってしまう。

そんな雰囲気を悟ったとは到底思えないけれど沖田が口をまた開いた。今度は銀時の喜ぶような 内容だった。

「旦那は、優しく抱いてくれますよね」

横を向いていた顔がいつの間にか真ん中を、銀時を見つめていて余りにじ、と見つめるものだから視線を逸らしてしまった。少し笑う声が聞こえた後沖田がもう一度言った。

「アホみたいに優しく…。…時々俺ァ、気色悪くなるんですぜィ」
「きしょくっ…!総悟クンそれはヒドイんじゃないの俺も傷つくハートを持ってるんだけどなァ」

さめざめとわざとらしく言うと今度はけたけたと声をあげて笑って、それに少し本気で傷つきそうになりつつけれども次にボソリと言った沖田の一言で銀時は少し、救われるのだった。

「でもまぁ、…好きだけど」
「…………」

だから この子と一緒にいるのはやめられないのだ。


END


総悟は誰とでも寝る悪い子 でも土方さんが好き 

 パフェより事な子 041219