1時間くらい外行ってろ、絶対覗くなよ 回りもうろつくんじゃねぇ

そう言ってから土方はピシャリと襖を閉めた。閉められる前に沖田の瞳に部屋の中に敷かれている布団の上に座っている土方より大分年上の女の人が映り沖田は小さく首を傾げる。どうしてあの女の人は土方の部屋に入っていて良いのに自分はダメなのかと。土方は時々、こうやって沖田を自分の部屋から閉め出す事があった。沖田は土方が好きでいつでも一緒に居たがったけれど土方は違うらしい。ひい、ふう、みい、よう、と沖田は指を折りながら数えた。もう、13回目だ、閉め出されるのは。面白くなくてとすん、と軽く襖を蹴った。中から土方の怒声が聞こえるかと思ったが何の反応もない。

「(おもしろくない…)」

心の中で呟いて、けれども沖田は言われた通りその部屋から離れようとした。本当は覗きたいのだけれど好奇心よりも土方の怖さの方が沖田の中では勝っている。今まで一度も覗いた事はなかった。足早に立ち去ろうとして、けれども。

「ァアッ」

部屋の中から女の高い声が聞こえて沖田はビクリと身体がはねた。甘ったるい鼻にかかるような声。聞いた事のないその声は酷く沖田の興味をそそった。そっと、聞き耳を立てると土方の焦ったよう声が聞こえてきた。

「おい、声だすなよ。まだ総悟がいる」

それは小さな声だったが耳の良い沖田にはちゃんと聞こえていた。

「聞かせてんのよ。貴方あの子の事気に入ってるじゃない。面白くないの」
「まだガキだぜ。…何言ってんだよ」
「そう?私にはとても大事にしているように見えるけど」

嫌味ったらしく言う女にチッと土方の舌打ちが聞こえたと思ったら。

「総悟!早くどっか行け!」
「っ…!」

苛立たしげにそう怒鳴られて沖田の身体がはねる。けれど自分よりも女を立てた事が悔しくて、沖田はそのまま何も言わずにぱたぱたと高い足音を立ててその場から去った。ふ、と小さく溜息を吐く土方に嫌な笑みを浮かべながら女が言った。

「可哀想。怒鳴らなくてもいいのに」

嫌味な、けれども綺麗な笑みを浮かべながら言う女に土方は何も言い返す気が起きずただ唇を塞いだ。


走ってそのまま自分の部屋まで帰って、沖田は布団に顔を埋めた。追い出された事、怒鳴られた事、自分より女に構った事。それが、悔しくて悲しくて堪らなかった。ぐ、と布団を強く握り浮かんできそうな涙を堪える。土方さんなんて、と口に出してみてけれど余りに虚しくて続きは心の中で呟いた。

「(…きらい)」


END


女とヤるところを見てしまう沖田、まで書きたかったけど疲りた 

 あださけ 050111