下を見たら畳が曇ったガラスを通して見るかのようにぼやけて見えた。あれおかしいなと少しだけ思ってそれからすぐに瞳に溜まった涙のせいだと気づいてカッと身体が熱くなった。こんな事で泣くだなんて、嫌だと 思った。悔しいし恥ずかしいし何よりガラじゃない。瞬きでもすればすぐにでも零れ落ちそうな涙を何とか零さないように目を強く見開かせた。それでも下を向いているせいか重力にしたがって雫は下へと降りようとする。ついに目の中の奥の方から込み上げてくる新しい雫に押され目に留まっていた涙は呆気なくポタリと畳に落ちた。

なっさけねぇの

自嘲気味にそう心の中で呟いてそれでも少し、これで土方さんがやめてくれたらいいなァと思った。うん。土方さんは男の涙は愚か女の涙にさえ引きはしない事は知っていたけれどもワラにも縋る気持ちで。いやきっと、ワラにでも縋っていた方が助かる可能性は高いのだろうけれど。だから本当に期待なんてしていなかったのだけどもう一度痛みが走ってあぁやっぱり土方さんってば容赦ないなと思って余計に涙が出てきそうになるのが分かった。


END


 

 ちられ 050124