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ドスという音が聞こえたのと同時に下腹部に痛みを感じ土方は目を覚ました。イッテェな、小さく悪態を吐きけれど横に人が居る気配を感じビクッと身体がはねてしまった。 誰だと思い顔を見てみるとそれは沖田で、それを見て昨夜してしまった事を思い出し土方は髪をかきあげ苦笑しながら小さくあ〜…と呟いた。そうそうとうとうヤっちまったんだと思い何とも言えぬ感情が土方を支配した。 弟のように大事に思ってきた、沖田。少し酔った沖田が寒いと言って布団の中に入ってきてあまりに柔らかな肌を密着させてくるものだからついむらむらっときて手を出してしまったが正直。自分は沖田に恋愛感情なんて持っていない、と、土方は思う。いやけれども自分でも気付かないうちにコイツに劣情を抱いていたのかもしれないとも思った。じゃなければ自分は素面だったのに男に手を出すはずが、ない。 いや取り合えず今重大なのは沖田とヤってしまったと言う事ではなくて。 「…こいつ寝相悪いのまだ治ってなかったのかよ」 沖田の寝相の悪さ、だ。 まだ沖田が小さい頃、一緒によく寝ていてその時から沖田は寝相が悪かったが(けれども沖田はまだ軽かったので蹴られても足をのっけられても土方が起きる事はなかった)まさか成人に近い年齢になった今でもこんなに寝相が悪いままだったなんて、と土方は呆れたように沖田を見た。 「オイ総悟…」 少し小声で言いながら肩を揺する。そうするとドス、ともう一方の足も腹の上に置かれた。 「イッテ、テメッ!起きてんだろ!?」 「んー…」 「ん、じゃねぇよ!」 短く声をあげながらけれども目を開こうとしない沖田に土方は次は声を少し張り上げて言う。けれどもスースーと規則正しい寝息を立てる以外沖田は何の反応も示さない。本当に寝てるのかと思いしょうがないな、と足をどける。 「いっ、てェ!てめぇ…」 けれどもまた足を腹にのっけられ土方はぐ、と強く足を掴み低い声で言った。しかしすーすーとまだ寝息が聞こえてきてい土方は次の言葉を言う事が出来ず黙る。狸寝入りなのか本気で眠っているのか分からない。狸寝入りならムカつくが本当に寝ているのなら、…いやけれどもやっぱりそちらでもムカつくと土方は思う。 「オイ…。…オイ、総悟…」 だから遠慮せず次は小声ではなく普通の声で沖田を呼びながらまた肩を揺する。んん、と少し眉を寄せて沖田が唸った。 「……起きてんだろ?」 「……」 問いかける土方に返事は無し。おい、と少し大きめの声で言うがそれにも返事はなかった。そうしてる間にもまたドスともう片方の足が起き上がった土方の太ももに乗せられ土方の少し感じ始めた苛立ちを煽る。 「……返事しねぇとちんこ握るぞ」 狸寝入りなのか本当に寝てるのか確かめたくて。ついそんな言葉が口を出てしまいけれども確かめられる良い方法かと思い否定はしなかった。 少し待ってやったが返事はなくて。本当に寝てるのかと思ったが4度も足を乗っけられた恨みにとギュ、と強めにペニスを握ったてやった。沖田はウウ、と痛みにか呻き眉を寄せたが起きる気配はない。 「………」 痛そうに顔を歪める沖田に気が済み離してやろうと思いけれども眉を寄せン、ンと口から呻き声を出す沖田が可愛く思えてつい悪戯心がわいてしまった。ギュウとより一層力を強め握る。 「イッ、たあァ」 けれどもそれには沖田も流石に目を覚ましたようで。声を上げてガバッと起き上がった。その沖田に一番に見えたのは自分のペニスを握っている、土方の、手。眉を寄せて少し呆れたように土方を見ながら沖田が言った。 「っ…土方さん何してんですかィ…っ」 「え、…あ…、いや」 焦る土方は良い言い訳がすぐに出てこず口篭る。冷めた目で沖田は土方を見、少しわざとらしく布団で身体を隠しながら甲高い声で言った。 「さいてーいっ!引きますよアンタ何握ってんですかィいやらしい!」 「違う!違うんだ…!お前がその寝たふりしてんじゃねぇかって…その、な!」 「何が違うんですかィ!どすけべ…俺向こうで寝てきやすから!」 「いや、そうご、ちょ、待てよ!」 「ったく、百年の恋も冷めちまいますよ」 「いや違う!え、……百年のこっ、…?」 「……気付いてなかったんですかィ」 「…こいって、だれに」 「ばっかじゃないの」 呆れたようにそう言ってけれども少し恥ずかしかったのか唇を尖がらせながら髪をかきあげ沖田は土方から視線を逸らしていた。 「おまえ…俺が好きだったのか」 「今日見損ないましたけどねィ。まさか寝てる美少年のちんこ握んのが趣味だったとは…」 「ちんことか言うなよ、萎えるだろ!いや違う!あれは決して趣味な訳では…」 「土方さんは?」 「え」 「俺の事、好き?」 下から覗き込むように見上げられながらそう聞かれくるんとしているどんぐり目玉が可愛いと思いつつ土方は返事に困る。好きか嫌いかで言われたら勿論好きなのだけれども自分の好きはきっと親子とか友達に感じる好きで沖田が自分に対して持っている好きは恋人に対する好きで。 いや一概に自分が沖田に対して持っている好きも家族へ対してのものとは言えなかったが。 大体沖田はどうして自分の好きが家族の好きではなく恋の感情だと分かるのか。幼い頃からずっと一緒に暮らしてきていて、家族への好きか恋の好きかなんて、分かるはずがない。少なくとも土方にはその境目がよく分からなかった。 「や、ごめん…ちょっと俺よくわかんねぇ」 「…わかんないんだ、土方さんってば子供」 「……ガキにガキって言われたくねぇよ」 「あれだろィ、家族に対しての感情か恋人に対しての感情かよくわかんねぇんだろィ」 「………」 「ダメだなァ、土方さんは。まだまだ本当子供なんだから」 「……ンだよお前は分かんのかよ」 「…土方さん俺に勃起したじゃないですかィ」 「ハァ?…はぁ、まぁ」 「家族や友達には勃起しませんよ」 「……」 「だから土方さんは、俺の事、恋の相手として愛してるんだ」 「や、それは…」 「大丈夫、俺が刷り込んであげやすから、俺の事恋の相手として愛してるんだって、コト」 無理矢理な理論を押し付けられ土方は喋る言葉が思いつかない。勃起するかどうかで恋情か友情かを決めるのは本当に無理矢理すぎではないかと思ったがけれどもまぁこれから考えていけば良いかと、土方は思った。 それから週に2,3度の割合で土方は夜中に沖田の蹴りで起こされる事になるのだった。 END |
| 愛と二人三脚 050218 |