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初めて沖田が人を斬るのを見た時、土方は吃驚したのを覚えている。 余りに無茶な、斬り方だった。兎に角引く事を知らない、自分がどれだけ不利になろうが構わず斬りにいく。 コンマ数秒のズレが生じればそれだけで自分が斬られるだろうという、あんまりにもリスクの高い、斬り方だった。 斬る時もあくまで冷静に、自分が不利にならぬよう自分の技が最大限生かされるようそして自分への危険が最小限になるよう、斬るのがプロのやり方だ。沖田は全国に名を轟かせるほど腕は良い。先ほど述べた人を斬るのに一番良いと言って良いだろうやり方ができないはずは、ないのに。 余りにも無鉄砲なそのやり方に、土方は吃驚したのと同時に面倒くせぇと、思った。一人でならどう戦ってくれたって構わないけれどもこれから自分達は幕府を守る為共に戦わなければいけない。どことなく納得はいかないがこの隊の中で一番剣が上手いのは沖田なのだからそう簡単に死なれて貰っては困る。注意して、直してやらなくてはいけない。 しかたねぇ、そう思い土方は血に濡れた刀を掲げてそれをじぃと見ている沖田の傍へと寄る。気配を絶ったつもりはなかったのだけれどもすぐ近くまできてもまだ刀を見続けている沖田においおいコイツ大丈夫かと心の中で呟いた。 気配も読めないのかと、土方は呆れたように思い試しに襲いかかってみようと、思いつく。しかし刀を抜こうとして、カチ、と鍔の音を立てさせるのと同時に沖田が凄い勢いで睨みつけてき目にも留まらぬ俊敏さで掲げていた刀をペトと土方の首筋に押し当ててきた。 「っ!」 その瞳の鋭さと首筋に当たる冷たさに一瞬気後れし息を呑む土方。けれども沖田は敵ではないと認識したのかスッと刀を下ろし言った。 「……なんだ、アンタか。えと、…なんでしたっけ、名前」 「……ひじかただよ」 「あぁ、そうそう、しじかたさんね。しじかたさん、刀抜いて何しようとしてたんですかィ」 「(…しじかたじゃねぇっつの)…ボケッとしてるから喝入れてやろうと思ったんだ」 「なーに、それ。余計な世話でさァ」 言いながら沖田は懐から紙を取り出し刀をシュッと一拭きする。慣れているのだろう一度でほとんどの汚れがとれ沖田は満足したのかそれを鞘にしまった。鮮やかに行われるその動作を見ながら、土方は先ほど刀を抜かれた時、一歩も動けなかったのに偉そうに指図する資格などあるのだろうかと少し思いながらも忠告をしてやる。 「お前…もうちょっと考えた方がいいぞ」 「…?何を?」 「自分の身を守る事とか」 「はぁ…」 「お前のは攻撃の一手じゃねーか。それ自覚しろよ」 「知ってまさァ」 「じゃ、なおせ」 「いや」 むっ、とした土方の空気が伝わってきたのだろうか、沖田は少し肩を竦めさせてそれから横にある死体の山を見ながら、言った。 「だって、守りながら戦るのって、面白くないじゃないですかィ」 「面白い?」 「そう。俺は何でも楽しんでやりたいんでさァ」 あっさりとそう言った沖田に人を殺すのを楽しんでやる必要はないだろうと土方はそう思い土方に沖田のその気持ちを理解する事はできなかったがけれどももっと理解できない事が、ある。 「楽しんでって、……死んだら元も子もねぇだろ」 そうだ何だって楽しんでやりたい、その気持ちは分かるけれどもしかしそれは生きている事を前提の話ではないか。あのあまりに奔放な剣はいつか身を滅ぼす。死を急がせるだけだ。楽しんで生きたいのならばまずは自分の命を大事にしなければ、いけないのではないか。そう思って聞いたのだけれども沖田は本当に不思議そうに首を傾げさせて言っただけだった。 「?…死んだら、また生まれ変わるだけでさァ」 「……」 「死んで、生まれ変わって、死んで、生まれ変わって…皆その繰り返しでさァ」 「……」 「死ぬ事恐れてちゃ何にもできませんぜ」 そう言ってフッと笑うと沖田はくるりと後ろを向いてそのまま何処かへ歩いていってしまった。ふわふわと風に靡く金髪を見ながら土方は思う。 「…へんなやつ」 END |
| 書きたい感じと違ってしまいました チッ(舌打ち) てゆっか本当はこねた行きにしようかと思ってたのですがtextに…つまらぬ意地ですすいません変なのなのにごめんなさい。そしてこの後書きの消し方真似してごめんなさい…(本当だよお前土下座しろ土下座を) 限りなく自由に 050502 |