「総悟」
「……」
「おい、…おい総悟」
「……」

名前を呼んでも返事がなくおかしいなと思い土方が沖田の方を見てみると沖田はテレビドラマを真剣に見ているところだった。それは丁度、濡れ場のシーンであんまりにも真剣に見ている沖田に土方の方が居た堪れない気分になってしまう。
そして土方もそのドラマを見てみる。最近のドラマにしては濡れ場が激しくておいおいAVじゃねぇんだぞと土方は思った。最中まで映してありあ、あぁ、と淫らに喘ぐ女の声も聞こえてくる。ベッドの中で本当にヤってんじゃねぇかと土方は訝しげにそれを見ながら思った。思いながらもう一度、沖田の方を見てみる。まだテレビに釘付けだった。いやらしく交わり合う男と女を、沖田はただじぃっと見ている。と思ったら、くるりと土方の方を向いた。

「土方さん、土方さん」
「…何だよ」
「ねー、今これセックスしてるんですよねィ?」
「……そーだけど」

包み隠す事もせずセックスという言葉を言う沖田にいつの間にこんな恥じらいのない子になったんだと土方は少し頭を痛める。沖田は土方の答えに顎に指をやって、考えるような仕草をして、それから不思議そうな顔をした。

「何でぶたないんですかィ?」
「え…」
「鞭は使わないんですかィ?これから使うの?」
「……」
「ペニスしかいれねぇの?バイブは?」
「……」
「なんかおかしくないですかィこのセックス」
「……」
「ねー、ひじかたさ」
「もーー、いい」

沖田の言葉を遮って言うと土方はプチとテレビの電源を切った。そしてあぁと、残念そうに言った沖田のその唇を塞いでやる。沖田はすぐにノってきて(テレビを見て少し欲情してたのかもしれない)土方の首に腕を回し自ら舌を絡めてきた。

土方は沖田の口腔を荒く掘り荒らしてやりながら、考える。沖田に普通のセックスをしてやった事が土方には、なかった。先ほど沖田が言った通りいつも叩いたり道具を使ったりしていてただペニスを挿れるだけのセックスをした事なんて本当に、ただの一度も、なかったのだ。セックスを全く知らないまま土方とセックスをしていた沖田は土方とする方のセックスがノーマルだと思っているのだろう。流石に、少し罪悪感というものが土方の中に芽生えた。
ちゅ、と軽い音を立てて唇を離すと土方はぎゅ、と沖田を抱き締める。

「今日は、優しくしてやるよ」
「優しく…?」
「うん」
「優しくって?」
「いてぇ事とか、しねぇ」
「いたいことしないの?」
「そ。うれし?」
「……よくわかんない」

想像ができないのだろう、難しい顔をして暫く黙った後沖田が言った。
土方は少し笑い抱き締めていた体を離すと座っていたソファに沖田を押し倒す。いつもみたいに突き飛ばすように乱暴にではなく、優しく。それから前ソファですると腰が痛くなるからいやだと言っていた沖田の言葉を思い出しベッド行くか?と聞いた。
沖田はふるふると首を振るとひじかたさんと、舌足らずに言い甘えるように腕を伸ばして抱き締めてと強請る。キスが欲しいと目をつむればちゅ、と温かくて柔らかな唇がいくつも与えられて沖田は浸るようにはふぅと息を吐いた。

「なんかくすぐってぇ」
「くすぐったい?」
「土方さんが、優しいの」

ふぅんと興味なさ気に返事を返してついばむようにしていたキスを、濃いものへと変える。ぅん、と強く唇が押し当てられた瞬間沖田は体をはねさせて甘い声を出した。そして少し身を捩らせる。土方はできるだけ沖田の好きなようにさせてやりながら、優しく舌を捉えるとくすぐるように愛撫し沖田を気持ち良くしてやった。いつものように舌を噛んだり呼吸ができないほど荒く貪ったりは、しない。ただただ優しく優しく沖田の性感を高めてやる。

「んっ、」

唇を離すと間も置かずペニスに触れた。小さなペニスはもう勃起し始めていて土方はズボンと下着を下ろしそれを取り出すと性急にそれに舌を這わせる。すぐにとろりと蜜が垂れてきて土方の口内を潤した。土方はキャンディでも舐めるかのように丁寧に舐めてやる。チュッと吸えばそれが気持ち良かったのか沖田はびくびくびくっと体を震わせたのだけれども。
待って、そう言って沖田が土方の髪をくしゃりと掴んだ。上を見ると快感に酔って呆けていると思っていた沖田の顔は実に冷めたものだった。そしてボソリと、言ったのだ。

「なんっか、…ものたりねぇ」
「ハァ!?てんめぇこのクソガキ!人が折角優しくしてやるっつってんのに可愛くねぇ!」
「……だって」

分かったじゃあ気の済むように犯してやるよテメェほんとマゾだなこのド淫乱が叫ぶとまず手始めにギュウとペニスを潰れるかというほど強く握ってやった。


END


こいういう中途半端な事は本当はしちゃいけません 

 濡れた 050927