すいませんサテュロスの続きです


「ん、…」

朝、目が覚めた土方はふわぁ、と大きく欠伸をした。ゆっくりと起き上がってまだ眠りの世界と繋がっている頭をわしわしとかく。そうしているとひくっ、という嗚咽が聞こえてきてだけれど土方はまだダルくてゆっくり怠慢な動作でそちらを向いた。そこには目を真っ赤にさせて小さく縮こまりながら泣いている沖田の姿があって、土方はぼうっとそれを暫く見る。

「お前…、一晩中泣いてたのか」
「ひっ、だ、って…」

寝起きで声も低く目も半開きという不機嫌そうな土方が沖田は怖くて詰まりつつ返事を返す。もう涙は枯れて雫は出なかったが悲しい気分は解消されず沖田はいくつもいくつも嗚咽を漏らしていた。しかし流石に一晩放っておかれたのだから優しくしてくれるだろうと、土方に期待したのだけれども。

「ばっかじゃねーの」

一言、そう言われて胸を抉られた気がした。一際大きな嗚咽が聞こえて土方は深く溜息を吐く。沖田は嗚咽を漏らした事で土方に溜息を吐かれたのだと気付き健気にもできるだけそれを噛み殺して小さな声で言った。

「ひじかたさん、…」

顔を上げる元気もないのか項垂れたままの沖田を土方は冷徹に見下ろす。時折肩が小さく震えたが嗚咽はもう聞こえなかった。きっと唇をきつく噛んで漏れないようにしているのだろうと土方は思う。

「ひじかたさんが、ほしい…きて、ひじかたさん…」

弱弱しくそう言って、しかしその口調とは相反しておずおずと、けれども大胆に沖田は唯一自由な足を開いた。少しずつ、ゆっくりと開かれていく足。真っ白で綺麗な足の間にピンク色の可愛らしいペニスが見え始めて土方はチラリとそこに視線をやる。そして沖田の傍まで行くとしゃがみ込んで腕の拘束をとってやった。酷い痕がついていてあーあと呟いたのが沖田に聞こえる。しかし土方は痕のついた手首を少し撫でるとすぐに立ち上がった。そして部屋を出て行こうとするものだから沖田は高い声を出す。

「や、ひじかたさんっ!ど、どこいくの…」

今まで土方が起きるのを待って待って待ち続けて。やっと起きてくれたというのにすぐさま何処かへ行ってしまおうとする土方に焦ったように沖田が言う。

「顔洗いに行くんだよ。待ってろ」
「やだっ、やだよひじかたさん…あっ、…」

沖田は縋るように言ったけれども土方は行ってしまった。ぴしゃり、と襖が閉められて沖田は顔を歪ませる。残された沖田ははしたなく足を開いてまで誘ったのに相手にして貰えない自分が途轍もなく惨めに感じて、開いた足の間にペニスを隠すように手を置いて、膝小僧をくっつけた。
でも今、沖田はどんな淫らな事でもできてしまいそうなほど、土方が欲しくてしょうがなかったのだ。じんわりと悲しみが胸に沁みてきて眉を寄せると沖田はまたひっくひっくと小さく嗚咽をあげ始める。小さな子供のように泣きじゃくっているとぱし、と頭を叩かれた。
上を見上げると、土方がいて。

「よく待ってたな」

言うと土方はちゅう、と沖田にキスをしてやった。とろん、と、それだけで沖田の瞳が快楽に奪われる。

「良い子だ」

そう言って土方は頭を撫でながら手をとった。赤く鬱血している手首に唇を寄せて土方はそこを舐める。ぴくん、と沖田の体がはねた。あぁ、と言う甘い声が吐息と一緒に漏れる。土方はそのまま愛撫するように細い腰をするりと撫でた。

「アぁ〜…」

それだけなのに本当に堪らないといった様子で沖田が身を捩らせる。その上恍惚とした表情で自分を見てくるものだから土方の欲望が一気に昂ぶった。髪を掴んで沖田の顔を見やすくしどんな顔してんのか見てやる。そうして噛み付くようにキスをした。

「んっ、ん、…」

沖田は舌で口腔を愛撫されて身震いする。とにかく気持ち良くってすべてが奪われてしまう。体が崩れ落ちるように土方の方へもたれかかった。土方は、十分堪能すると乱暴に唇を離す。

「おら、挿れてやっからケツこっち向けな」

待ち望んでいた一言に、沖田は歓喜に震えた。恥もなく着物をめくると土方の方に尻を向ける。四つん這いになろうとしてけれども長時間固定されていた腕は言う通りに動いてはくれなかった。不自由な腕で懸命に沖田は四つん這いになる。痺れた腕がふるふると震えていた。しかし土方は沖田が四つん這いになるとすぐに腰を掴み今すぐにでも倒れてしまいそうな沖田に情けを与える事もせず、早急にペニスを取り出した。

「あっ、…」

そしてアナルを指で撫でるように触る。そのままつぷ、と指を2本ほど挿れてみた。緩くなっていたのでこれなら入るかと、土方は思いアナルへペニスをあてる。そして腰を強く掴むとねじ込むようにペニスを押し入れた。

「あ、アッァ!」

沖田が悲鳴とも嬌声ともとれるような声をあげた。沖田のナカは大分きつくて、土方は眉を寄せる。力抜け、言うと沖田は辛そうに息を吐いて、土方はその瞬間を狙って肉をかきわけるようにしてペニスを進入させていった。沖田はぞくぞくとした感覚が体を走り震えていた。

「い、やァ!、あっ、…ひじかた、さ、」

慣れてくると土方が乱暴に腰を動かし始めてパンパンッと肌と肌がぶつかり合ういやらしい音が響き始める。そのあんまりにも激しい動きに沖田は息も絶え絶えだった。体を支えている腕ももう限界だった。

「ひ、ィああっ!!」

一際強く突かれついにがくんっ、と腕が倒れ尻が上に突き出すような格好になってしまう。挿れるというよりも上から突き刺されるような状態になってしまって沖田はあああ、と今度こそ悲鳴をあげた。けれどもそれはマゾヒストな沖田には達せれる刺激のはずだった。なのに達せれなかったのは、昨晩つけられた紐がまだペニスについていたから、だった。
先ほどから違和感を感じてはいたが気付かなかった沖田は焦ったように言った。

「ひっ、ひじかたさっ!ひも、とってェ…ァア、ぺ、ぺにすの、ひもォああ!」
「…とりたきゃ自分でとれよ」
「そ、ん、なァあっ、ひどっ、…アア、あっ!」

快楽に体を支配されて思い通りに動かせない事を知っているくせに、とってくれようとしない土方に沖田は泣きそうになる。仕方が無いので自分でとろうとするがきっちりと結ばれているそれは容易にはとれなかった。

「ひ、ひじか、たさァん!おねが、…おねがぃいしま、も、おれ…っ」
「っち。ったく、しょーがねーな」
「あ、っあっアアア!!」

舌打ちすると土方は紐を解いてやった。そしてそのままごしごしと乱暴にペニスを扱いてやる。すぐにでもイけれる状態だった沖田はそれに射精を我慢できるはずがなく、あっという間に精液を辺りに撒き散らした。

「くっ…」

その締め付けに土方もまた達する。精液がナカに入ってくる感触に沖田は身震いをした。

土方はイくとすぐにペニスをずぷりと抜いた。精液がアナルからとろりと出てくる。はぁはぁと荒く必死に呼吸を繰り返す沖田を見て、土方はすぐに立ち上がった。

「それじゃあな」
「…はぁっはぁっ、…」

そしてまだ余韻に浸って指一本動かすのすら億劫の沖田を置いて、土方は部屋を出て行ってしまった。
1人部屋に残された沖田は息を乱しながら目を閉じる。冷たい態度をとられたけれども沖田はとても満たされていた。けれどもほんの少し、優しくされたいとも思ってしまって。欲張りと、自分で自分を戒めた。


END


すいません急に書きたくなったんですすいません  

 イスワイン 050920